資料4 いわゆる片山セミナーについて
「開業歯科医の想いⅡ」序文より
昭和56年(1981)9月、スリーエムホテル(奈良県)と大磯アカデミーハウス(神奈川県)で、歯科医師数名の要請により開いた「片山先生に臨床を開く会」が最初である。
関東と関西でそれぞれ春と秋に、15年間休むことなく続き、開催場所は大磯(第13回から箱根)と京都(関西セミナーハウスー第1回のみ奈良)であった。
年を経て一般に片山セミナーと呼ばれる形に発展したのである。
平成8年(1996)11月、アカデミーハウスが閉鎖されるのを機に募を閉じた。要約
形式は当初から変わっていない。
土・日曜の1泊2目、泊まり込みで語り合い1ヵ月後に後半を開くこの2回、計4日・30時間を1クールとした。納得するまで話し合いたいので、時間を十分にとった。対象は主に開業歯科医師だが、共に働く家族やスタッフ・アソシエートの面々が数多く参加した。参加者は延べ約5,000人を数える。
泊まり込みで率直な話し合いをたっぷり行った狙いは、自分のめざす処置結果が思うような結果となって実らない事例について、どこが問違っているか、どうすれば思いが達成されるかなどを各々の参加者が納得することだった。
一人ひとりが具体的に自分の治験例を示し、「ここからが思うように治らない」、あるいは「結果が意に添わない」点を述べた。
それに答えて私が、類似した症例をスライド写真で示し、全員で話し合った。だから、質問の要点と治療概略を書いたものをかならず添えるように、あらかじめ推薦者の注意と共に申し込み書に書き込むことを求め、それの答えとして、目で見る写真によって、納得できるようにあらかじめ組み上げた。
私の答えに対する再質問、さらにその再質問と重なったりもした。そこで4〜5回経過した後、話し合いの形から講演の形態を取るように変えざるを得なくなった。
また、この4〜5回の話し合いの内容がほとんど歯周疾患治療に限られていたので、講演も歯周治療を主体とし、その他、私の得意とする乳歯の治療・根管治療・総義歯などの分野の多くは割愛することにした。
この記録写真集は、その結果として歯周治療関係が多くなり、私の治療における実際の分野別比率とは隔たりを生じているが、それはこのような経緯による。